2016.08.12 21:15|books―マンガ
永田カビ「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」(イースト・プレス)

pixivにて公開され話題となった作品を、全面改稿し描き下ろしを加えて書籍化。
初めに断っておくが、本作品はエロい風俗体験レポートではなく、著者(=主人公)の10年に渡る苦悩の日々を描いたいたって真面目な自叙伝である。

平和な高校生活を終えた著者は、その後大学を中退し、気付くとうつ・摂食障害になってしまっていた。
不安感からバイトを始めるも、心身はさらに悪化し、遅刻や欠勤が多くなり、仕事中まで激しい過食衝動に襲われるようになる。
結果、バイトは解雇され、医師よりしばらくの休養を言い渡されることになった。
しかし、親に認められることを絶対的な指針として生きてきた彼女は、自分なりに体調を整え、再びバイトを始める。
だが、どんなに仕事ぶりが順調でも貯金が増えていっても、親は「正社員ではない」とその努力を認めてはくれない。
そうして、仕事先でも家の中でも、居心地の悪い状態が続いていくことになる。
さらには、漫画家デビューやうつ病の悪化など人生の波乱も止まらずやってくる。

このような苦難の10年を送ってきた著者が、どのようにしてレズ風俗の利用に思い至ったのか。
また、その後彼女の何が変わったのか。
本書は、自分が何をしたいのか分からない人、他人からの評価に依存し自分を抑え込んでしまっている人などに、ぜひ読んでほしい。


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2016.08.04 20:13|books―マンガ
ヤマザキマリ×とり・みき「プリニウス」Ⅳ(新潮社)

古代ローマの博物学者プリニウスの活躍を描く、伝記的フィクション。

3巻の終わりでポンペイを訪れたプリニウス一行は、大地震に遭遇する。
一瞬にして街は瓦礫の山に姿を変え、辺りには死傷者が溢れることになった。
プリニウスは、被害の実態を記した手紙をローマに送り、自身はスタビアへと向かう。
一方、ローマでは皇帝ネロの愛人ポッパエアの権勢欲が激しさを増していた。
彼女は、自らの欲望の障壁となる者を粛清し、遂に皇妃となる。
富・権力・虚栄を巡り策謀渦巻く王宮の現況を、親友セネカからの手紙で知ったプリニウスは、ポンペイの大地震で改めて目の当たりにした大自然の力と営みに比し、あまりに卑小な人間の欲望に怒りと焦燥を露わにする。
この両者の対比が、実に巧みに描かれ読み応えがある。

巻末の作者の言によると、次巻では新たな展開になるという。
5巻もますます楽しみだ。


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2016.07.26 22:39|私論
7月26日で、ある事件からちょうど2年が経ちました。
その事件は「佐世保女子高生殺人事件」と呼ばれています。
2014年7月26日、佐世保市内で一人暮らしをしていた高1女子が、友人である女生徒を自分のマンションで殺害したというものです。

 詳しくは、Wikipediaなどを参照してください。
 Wikipedia:佐世保女子高生殺人事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E4%B8%96%E4%BF%9D%E5%A5%B3%E5%AD%90%E9%AB%98%E7%94%9F%E6%AE%BA%E5%AE%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6


当時、この事件は大いに注目を集めました。
それは、猟奇的ともいえる被害者の遺体の損壊状況でした。
その後、加害生徒の家庭環境などが報じられると、こちらも話題になりました。

僕は、報道によりもたらされる数々の情報から、加害生徒はある本を読んでいたのではないかと思うようになりました。
影響されたとまでは言えませんが、殺害に際してその作品の記述を参考にしていたのではないか、と。
ここでそれらを列挙しても、あまり意味があるとは思えませんが、一つの覚書として記しておこうと思います。

※)以下、残酷でグロテスクな描写があります。苦手な方は、ここで読むのをお止めください。

さて、その作品は、乙一著『GOTH』です。
『GOTH リストカット事件』として出版され、後に文庫化に際し『GOTH 夜の章』『GOTH 僕の章』と二分冊化されました。
以前、このブログでも紹介をしました。
 →『GOTH』(http://uturautura541.blog.fc2.com/blog-entry-89.html)

以下に、佐世保の事件に関する項目を挙げ、作品(本書は連作短編集です)中の当該内容を記してみます。

1.被害者の遺体は、首が切断され腹部が大きく切り裂かれていた
 →短編「暗黒系」の中で、発見された死体が頭を切断され、その頭が切り裂かれた腹部に収められていたというシーンがある。

2.遺体は、左手首が切り落とされていた
 →「リストカット事件」では、犯人が手首に異常な執着を持ち、人間や動物などの手首を切断して持ち去っている。

3.加害少女の部屋にある冷蔵庫には、猫の頭部が入っていた
 →「リストカット事件」の犯人は、持ち帰った種々の手首を冷蔵庫内に並べて保管していた

4.被害者は、犬のリードで絞殺された
 →「記憶」の中で、犬のリードを使って首吊りをするシーンがある。

5.加害少女は、小6の時、同級生の給食に洗剤・漂白剤・ベンジンを度々混入する騒ぎを起こしている
 →「記憶」で、犬のエサに漂白剤を混ぜる(犬は重体に)シーンがある。

6.加害少女は、最初ハンマーで被害者の後頭部を何度も殴った(死因は窒息死)
 →「暗黒系」で連続殺人犯が、ハンマー(金槌)で女性を殴る描写がある。

7.加害少女は、「僕」と自称していた
 →『GOTH』は基本的に主人公の男子からの視点で描かれている。その自称は「僕」

これらが気になった点です。
果たして彼女はこの作品を読んでいたのか。
それは、まったく確かめようのないことなのですが、僕は勝手に読んでいたのではないかなと思っています。
まあ、どうでもいいことなのですが。

最後に、この作品『GOTH』には何の責任も問題もないことは強調しておきます。
そんな影響力があったなら、毎年のようにこうした猟奇事件が続出しているはずですから。
読んだ僕自身も誰も殺していませんからね。

今回は、あまり実のない記事でした。


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2016.07.19 20:40|太陽光発電
前回の終わりに、太陽光発電設備の土台・基礎が簡易なもののため、暴風に煽られ設備全体が倒壊し、基礎部分も地上に抜け出してしまった例を取り上げました。
また、第1回に紹介した北杜市のレポート記事では、セメントを詰めたドラム缶の上に発電ユニット(太陽光パネル)を載せただけという、手抜きにも程があるケースが報告されていました。
しかし、これらが法律違反かというと、そうはならないのです。

今回は、この辺りを見てみます。
説明が長くなり過ぎるのが僕の悪い癖なので、結論から述べます。
これは、太陽光発電設備の設置を促進するための規制緩和策から起因している問題です。
この政策は、2011(平成23)年3月に閣議決定による政令として出されました。
以下に示すのは、その資料(※)の中のチャートと説明です。
 (※)建築確認手続き等の運用改善(第二弾)及び規制改革等の要請への対応についての解説    
http://www.mlit.go.jp/common/000139167.pdf

建築基準法の適用フロー_500


建築物からの除外_500


1枚目では、住宅の屋根などに設置される太陽光設備は「建築物」と見なし、地上に直接設置されるような場合は「工作物」とすること。
また、「工作物」のうち高さ4メートル以下のものは建築基準法の規定を受けず、さらに高さ4メートルを超える設備についても(政令の改正により)同法の準用対象から除外することが示されています。
2枚目は、それをまとめたものです。
つまり、地上に直接設置される太陽光設備は、すべて建築基準法の規制を受けないと決められたのです。
前述のように、太陽光発電施設の建設促進がその目的です。
そしてこの内容は、同年10月より施行されました。
このために、現在見られる太陽光設備の中には、その基礎部分に手を抜いたものが混じっているのです。
太陽光発電の急速な普及を図ったために、建築上問題のある設備も増えてしまった訳で、皮肉というか(当時の)政府の失策とも言えます。

さて、ついでに当時の首相は誰であったかを見てみます。
前述のように、2011年3月――東日本大震災の発生直後に閣議決定されていますから、頭に思い浮かぶ人も少なくないでしょう。
菅直人総理(当時)です。
次に示す写真は、同年6月に行われた再生可能エネルギーの普及を図った集会の一場面です。

kan_500.jpg


左端に菅総理がいますが、パネルからすると再生可能エネルギー促進法の制定を総理に要望するということのようです。
当時の菅総理は再生可能エネルギーの普及に尽力していて、この再エネ促進法案の審議に際して自分の辞任と引き換えに法案を成立に導きました(2011年8月)。

これだけならば美談っぽい話にも見えるのですが、ここに疑惑が一つ指摘されています。
先ほどの写真、菅総理の反対側(右端)に写っているのは、ソフトバンクグループ会長の孫正義氏です。
手にしているのは、太陽光パネル。
これが象徴的な絵柄なのです。
実は、「再生可能エネルギー促進法(通称)」の中では、太陽光発電の固定価格買取制度について定められています。
これは、早い段階で太陽光設備を設置すれば、そこで作られる電気を高値で買い取るという内容です。
これも、太陽光発電の普及・促進を図ったもので、設備を早く作れば、それだけ電気を高く買うという訳です。
ということは、早期に大規模な発電施設を建設すれば、売電により大きな利益が得られることになります。
しかし、「早期に」「大規模な」となると多くの資金が必要になります。
ところで、ソフトバンクグループ内にも太陽光発電を手掛ける会社があります。
つまり、疑惑とは菅総理と孫会長の間に癒着があったのではないかというものです。
もちろん、直接的な証拠はありませんし、あくまで疑惑に留まる話です。
余談程度に思っていただいて構いません。

最後に再生可能エネルギーのこれからを考えるに当たって参考になる記事などを紹介します。

「太陽光パネルで熱中症」〝室温52度〟わが家は地獄に変わった!? 再生可能エネルギーは迷惑施設なのか(産経WEST)
http://www.sankei.com/west/news/160119/wst1601190006-n1.html

 太陽光パネルの反射光が自宅の窓から差し込み、室温が50度以上になる被害を受けた事例。

「太陽光パネルのゴミ公害」時代がやってきそう(大西宏のマーケティング・エッセンス)
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/51461035.html

 現在日本中に多数設置された太陽光パネルの寿命が来たときに、その処理方法が確立していないと大量のゴミ問題になると指摘したブログ記事

風力発電全面シフト誓い、発電しすぎて他国へ売電できるうれしい悲鳴が…(GIZMODE)
http://www.gizmodo.jp/2015/07/post_17631.html

 風力発電先進国であるデンマーク。風力発電量が、周辺国に売電できるほどもあり、現在は総発電量の50%超を目指している。

欧州電力関係者が明かす ドイツ再生エネ政策の現実(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO01979900W6A500C1000000/

  (会員限定記事なのですが)脱原子力・再エネ移行の先進国とされるドイツの発電・電力事情。原発の稼働数を減らした分、火力発電が増えた。結果、EUで最もCO2を排出することに。風力発電も停滞。

"再エネ大国"ドイツと『原子力大国』フランスの比較(その1)
http://www.huffingtonpost.jp/kazuo-ishikawa/renewable-energy-nuclear-power_b_10831946.html

 同 (その2)
http://www.huffingtonpost.jp/kazuo-ishikawa/france-germany-powerplant_b_10882462.html

 同 (その3)
http://www.huffingtonpost.jp/kazuo-ishikawa/german-france-3_b_10925228.html

 脱原子力を掲げたドイツと総発電量の4分の3が原子力発電のフランス。両国を比較した記事。ドイツの電気料金はフランスの2倍であることや、前述のCO2排出量の問題などを通して、日本は一国だけでなく両者を合わせて参考にすべきと説く。


ここまで読んでいただきありがとうございました。



テーマ:環境・資源・エネルギー
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2016.06.28 20:16|太陽光発電
前回は、太陽光発電施設の建設による自然破壊や景観破壊などについて書きました。
今回は、自然災害による被害を太陽光発電が拡大してしまった実例を見ていきます。

前回の中で、山の斜面を削って太陽光パネルを設置したケースについて、土砂崩れを引き起こしやすいと述べましたが、実際にそうした例を見てみます。
昨年(2015年)の9月に、台風17、18号の影響で関東・東北地方は強風と豪雨に見舞われ、各地に大きな被害が出ました。
そのときにネットに上がっていたのが、次の写真です。

miyagi.jpg

宮城県での被災の様子です。
道路脇の斜面に設置されていた太陽光パネルが斜面ごと崩落し、道路を塞いでしまいました。
写っている人物と比べると、かなりの幅・高さが崩れたことが分かります。
ちょうど車が通っていたら、崖下が道路でなく住宅だったら、と思うと恐ろしくもなります。

一方、昨年の8月には台風15号が、熊本県に上陸し北上したため、九州北部を中心にやはり大きな被害をもたらしました。
次に挙げるのは、当時のツイートです。

あらたー1

パネルの裏側しか写っていませんが、この反対側に太陽光パネルが並んでいます。
このタイプの設備は、自動でパネルの向きが変わり絶えず太陽を追うように動くというもので、駐車場などに設置されているようです。
強風により、可動部が破損してパネル部分が落下してしまったようですね。

次の例も台風15号の被害をツイートしたもので、プロフ欄から福岡県在住の方のようです。

ロッソー1

台風で設備が破損し、強風にあおられたパネルが飛ばされて住宅に直撃したとあります。
続くツイート。

ロッソー2

ロッソー3

破損どころか、ユニットは崩壊し敷地内にパネルが散乱しています。
発電設備は、地面に打ち込んであったと思われる(大きなもくネジのような)部材が抜き出され、完全にひっくり返ってしまっています。

ツイート主のロッソさんは、「基礎してねーじゃんコレ…」と書いていますが、確かに前述のもくネジみたいなものを地面に突き刺しただけのようです。
これほどの設備の建設に際して、こんな簡易な工事でよいのでしょうか。
実はこれ、法律違反にはならないんです(民事上の過失は認められると思いますが)。
何故か。
次回は、その辺りを見てみたいと思います。


テーマ:環境・資源・エネルギー
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プロフィール

あずきとぎ

Author:あずきとぎ
うつらうつらしています。
「うつ病」で通院中。
千葉県北西部に在住。
男(おっさん)。
(画像は、キャラメイクファクトリー様http://mac.x0.com/test/kisekae_.htmlにて、作成)

→好きなものなど(ツイフィール twpf)

→twitter(@azukitogi19)

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