2017.10.21 13:32|JK病院編
先に書いたように、ここの病棟は中央にあるホールから両翼に男女各病棟が伸びている。
男性病棟は6人部屋が7室。
約40人が常時入院している。
ホールに最も近い病室には、自分一人では起き上がれない人たちが集められているが、残りの病室には特にそのような配慮や区分などなく、ベッドが空いたら新人患者が入ってくるだけのようだ。
北東方向に伸びている男性病棟は、廊下の両側に病室が並ぶのだが、僕のいた病室は北側であったため暑くはないが冷房が利きすぎて寒いくらいの日がよくあった。

ところで、この病棟に入院して2か月以上。
誰からも入院理由や病名、症状などを尋ねられたことがない。
また他の人も患者同士そういった類の話をしている気配もない。
これは、精神科特有のものなのだろうか。
例えば、内科であれば、「あんたドコが悪いの?オレ肝臓」なんて話しかけてくるおっさんが一人はいるものだが、そういう人はここにはいない。
精神科病棟でそうしたことを訊くのは、暗黙のタブーなのか。

もっとも男性患者約40人のうち、10人程は突っ込んだ話は出来なさそうな状態だし、もう10人は黙り込んで言葉を発してくれないかも知れない人たちだ。
逆によく喋るが何を言っているのか聞き取れないじーさんとか、知能的な問題でまともな会話を成立させることが困難な人もいる。
と、考えてみると、精神科病棟で自分や他者の病気について言葉を交わすことがなくても当然と言えば当然なのかも知れない。
(他の病院のことは知らない)
精神科の病棟だからいいだろう、と左腕(前腕)の傷痕をそのままさらして過ごしているが、誰も何も言ってこないしな。
いや、病院外でもわざわざ触れてくる人もいないか。
心の中で「うわ」とか思うだけだろう。
でも、自分でも他人の腕なんか気にして見たりしないな。
自意識過剰か。

それにしても、周りがすべて種々のメンヘラ患者というのは、不思議な感じでもある。
ガリガリと40人のメンヘラ。
自分自身もメンヘラ。



スポンサーサイト

テーマ:うつ病(鬱病)、メンタルヘルス
ジャンル:心と身体

2017.10.20 14:26|JK病院編
自分一人では寝起き出来ない人たちの声もよく聞こえてくる。
この人たちは、大抵看護師を呼んでいるのだ。
「おーーーい」
「頼むーーー」
とか
「ごはーーーん」
「おしっこーーー」
など。
「助けてーーー」なんて言ってるときもある。

ところが、ある日。
あるじーさんが、別の呼び方をしていた。
じーさんは、ダミ声で
「い゛え゛~~~~~っ」
と聴衆を鼓舞するかのような叫びを発し出した。
さらに、
「い゛え゛ーーーーーっ」
「い゛ぇい゛、い゛ぇい゛~~」
と、ややノッて来てもいた。
しかし、このじーさんの「yeah」はこの日しか聞けず、どうやら Last live だったようだ。

食事時のホ-ルで(食事は、基本的にホールで食べる)、ひと際大きな声で叫んでいる車椅子のばーさんがいる。
入院当初、ばーさんが「おねえーーーーちゃん」と連呼しているのを聞いた。
別の日には、「おかあーーーーさん」と呼んでいた。
また別の日、今度は「おにいーーーーさん」と叫んでいた。

姉は「おねえちゃん」で、兄は「おにいさん」。
親密度の差であろうか。
そして、母と二人の子(ばーさん入れて三人か)だけで、父親は登場しない。
ばーさんの年齢からして、戦争経験者だろう。
父親を兵隊に取られていた?
などと、勝手な憶測が進んでしまう。

しかし、また別の日に「おとぉーーーーさん」との叫びが聞こえ、さらには「おにいーーーーちゃん」も出てきて、考えを巡らせていた自分がある種恥ずかしかった。
ばーさんは、目の前を通った人物を元に叫んでいただけだったようだ。
世の中、そう意味のあることばかりではない。

そして、今日もばーさんは車椅子の上から叫んでいる。
「おねえーーーーちゃん」



テーマ:うつ病(鬱病)、メンタルヘルス
ジャンル:心と身体

2017.10.20 09:38|JK病院編
病棟で過ごしていると、常に何らかの声や音が聞こえていて、それが日常になっていくのだが、やはりおかしいと言えばおかしい。

浅黒くがっしりとした体格の男性。
見かけに反してファルセット(裏声)でせわしなく独り言を言い続けながら行動する。
独り言の内容と行動には関連がないようだ。
よく聞き取れないけれど。
この人は一日に何度も何度も洗面所に来る。
首にタオルを掛け、ハミガキ・歯ブラシ・カップを一揃い持ってくるのだが、歯を磨いているところは(食後以外)見たことがない。
裏声で何か呟きながら、せわしなく水を出したり止めたり、カップの中の水にクシをちゃちゃっと浸けたり…。
本人には、それなりの自分ルールがあるんだろうけどなあ。

また、病室にいると、ドアが開きっ放しなので、人が廊下を行き来する足音が聞こえる。
ドシドシとゆっくり歩く人もいれば、カッカッカッと硬い靴底を響かせていく人もいる。
そんな中、時折り廊下をパタパタ…と子どもが駆けていく足音がする。
病棟に子どもの患者などいないし、面会時間外でも聞こえてくる。
座敷童子の類かと思った(そうだったらいいのになと思った)が、つまらないことに正体はビーチサンダルを履いたおっさんであった。
この人が普通に歩いても、♩=60の16分音符(つまり♩=240)でパタパタと音がするのだ。
単調にパタパタ…ではなく、ギュという様な音も混ざるので、5歳くらいの子どもが走っている様に聞こえる。
この人は、他に8分の6拍子の曲でよく出てくる「ターンタタン、ターンタタン」というリズムを発しているのが聞かれた。


テーマ:うつ病(鬱病)、メンタルヘルス
ジャンル:心と身体

2017.10.13 10:39|JK病院編
医師の説明では、1か月間は何もせず静養するようにということだった。
何もしないと言っても、そうそうベッドでボーッとしてばかりもいられない。
日中寝てしまうと、夜眠れなくなりそうだし。

この病棟は、中央にナースステーションとデイルームと呼ばれるホールスペースがあり、そこから男性病棟と女性病棟が左右に伸びている。
ホールにはTVが両端に1台ずつ設置されているが、普段TVを見ないので、ここでも見る気にはならない。
ホールの一角に書棚があり、小説や漫画などが置いてある。
しかし、集中力が続かず、くだけた内容の新書も漫画本も10ページほども進めない。
これならと4コマ漫画(「いじわるばあさん」「かりあげクン」)を手に取るがやはり続かない。

結局、空いた時間は歩くことにした(もちろん、気が向いたときに)。
歩くといっても、病棟外には出られないから中を歩いた。
ホール(デイルーム)の中はテーブルだらけだし、女性病棟の中を歩く訳にはいかないので、ホール入口(=病棟入口、扉がある訳ではない)から男性病棟の端までの廊下約20mを往復すると決めた。

病棟での一日を記すとこんな感じだが、
  6:00 起床
   |
  8:00 朝食
   |
 12:00 昼食
   |
 13:30~14:30 入浴
   |
 18:00 夕食
   |
 21:30 消灯

1回で30分歩くとし、朝食~昼食で1回、昼食~夕食で2回を目安としてやり始める。
また、調子が良ければ夕食~消灯にも1回歩く。
実際、病棟の廊下を運動を兼ねて歩いている人は他にも何人かいた。

ガリガリにやせているのに、運動じみたことをして良いのか。
と、自分でも思ったが、
 ・あまりにも時間が余って仕方がない。
 ・寝て座ってだけの生活では、退院時(or その前段階の外出・外泊時に)足腰がなまってまともに歩けなくなるのではないか
といった理由から歩くことにしたのだ。
やっていて思ったのだが、
 ・感情的に深く落ち込む思考が起こりにくい。
   →一方で淡々と鬱々と何かを考え続けることはある。
 ・少しでもカロリーを消費して太らないようにしたい
まだ、やせたい(=太りたくない)願望が少し残っている。
ちなみに、この時期に測った体重・体脂肪率が
 (8月17日)体重47.7kg 体脂肪率8.2%
体脂肪率は、アスリート並みだ。
暇が続くと太れないぞ。
でも、太りたくはないんだ。
50~52kgの範囲くらいをキープしたい。

何日か続けているうちに、僕は動物園のヒョウの気持ちが少し分かったような気がした。
ライオンではなく、ヒョウ。
ライオンは、(ネコ科)猛獣エリアの目玉なので、ある程度広い区域を与えられている。
サバンナを模したような草木や岩山などの装飾がなされることもある。
トラは、水浴び場を用意することもあり、やはりある程度広い面積が配分される。
しかし、ヒョウはそうした背景がないため前出2種よりも狭い檻に入れられることが多い(と思う)。

閉鎖病棟内で、たかだか20mくらいの廊下をウロウロと往復していると、動物園のヒョウを思い出すのだ。



テーマ:うつ病(鬱病)、メンタルヘルス
ジャンル:心と身体

2017.09.29 14:20|JK病院編
入院時の説明では、初めの1ヵ月を丸々静養に充て、あえて何もしない期間にするという。
次の2ヵ月目から少しずつ体を動かし、作業療法や看護師を伴っての院内外出(病棟から出るのはすべて外出となり、病院内の売店に行くのも外出扱いとなる)などを経て、単独での外出・外泊(自宅)へと慣らしていく。
3ヵ月目には、(自宅)外泊の日数を増やしていき、退院後の生活・身の振り方などについて、ソーシャルワーカーと相談することで社会復帰を図る。
以前、閉鎖病棟に入院したK病院では、こんなことしてくれなかった。
ただ病棟に閉じ込められているだけとしか思えなかった。
病院によって治療の仕方というか方針が大分違うのだな。

さて、入院生活が始まると、当初の「閉鎖病棟に入るのは嫌だ」という気持ちも落ち着いてきて、「こうして世間から隔絶された状態で、頭を冷やし、中身を一旦真っ白にしていくのも良いかも知れないな」と思えてきた。
依然として、家族に迷惑をかけてしまっているという、後ろめたくも後ろ暗い気持ちは引きづっていたけれども。

しかし、この入院初期は随分と不便な思いをした。
驚いたことに、病室から床頭台(ベッドの脇にある鉄製のタンスみたいな収納台)を丸ごと撤去されてしまったのである。
確かに、自殺未遂を起こし、未だ希死念慮があると思われる患者に対しての措置としては致し方ないのかも知れない。
しかし、これでは何も置けない。
撤去された床頭台は、鍵の付いた別の部屋に保管され、代わりに長机が運ばれてきた。
上に置くことを許されたのは、ティッシュ1箱とカップが2つ。
その他、必要なものはすべて別室の床頭台に収納された。
こうして、洗顔・入浴・歯磨きなど、生活の多くの場面でいちいち看護師に開錠を頼み、取り出したものをまた返却するという面倒極まりない手順に従うこととなった。

このタオル一枚傍らに置けない不便な日々は数日続いた。



テーマ:うつ病(鬱病)、メンタルヘルス
ジャンル:心と身体

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

あずきとぎ

Author:あずきとぎ
うつらうつらしています。
「うつ病」で通院中。
千葉県北西部に在住。
男(おっさん)。
(画像は、キャラメイクファクトリー様http://mac.x0.com/test/にて、作成)

→好きなものなど(ツイフィール twpf)

→twitter(@azukitogi19)

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR